ゴルフが原因で起こる辛い疼痛を改善するには?
「ゴルフは楽しいけど次の日の腰痛が辛い。」
「スイングする度に肘に痛みがあって思うような練習ができない。」
「ゴルフをはじめてから肩こりがひどくなった。」
このような体の痛みによって、楽しいはずのゴルフが思う存分楽しめていないなんてことはありませんか?
実はこのようにゴルフ中あるいはゴルフ後に体の痛みを抱えている方は意外と多いばかりでなく、そのような痛みが原因で楽しみの一つだったゴルフが出来なくなってしまうケースすら耳にすることがあります。
ゴルフは走ったり飛んだりするような激しいスポーツではないので、一見すると、スポーツの中では怪我のリスクが少ないように思われがちです。
しかし、実際ゴルフはスイング動作や捻転動作などをおこない、全身の様々な部位を使うことから全身の様々な筋肉や関節に負担がかかりやすく痛みや炎症を起こしやすいスポーツなのです。
痛めやすい部位は個人のスイングやフォームなど他、様々な要因によって異なります。
ツイッターで『ゴルフ中あるいはゴルフ後に痛みを感じる部位アンケート』を実施したところ、
1位は腰で54%
2位が肩で21%
3位が膝で17%
4位が肘で8%
という結果が出ています。(2020年メディカルゴルフ研究所調べ)
そこでこの記事では、ゴルフによって起こる痛みの部位ランキングで過半数を占める『腰痛』と、いわゆるゴルフ肘とも言われ一度なると癖になる厄介な『肘痛』を中心に、その原因や予防、改善方法などを詳しく解説していきたいと思います。
ゴルフによって腰痛が起こる原因と改善策とは?
ではまずゴルフによって腰痛が起こる原因を解説する前に、痛みが起こるメカニズムをお伝えします。
そもそも痛みとは、筋肉や筋膜、靭帯や関節などの神経が分布されているところに何等かの炎症が起こることで生じます。
そのため、一定時間同じ姿勢をとったり無理な態勢をとったり、ある部分に集中して過度の負担をかけることなどにより神経が圧迫され痛みが起こるのです。
このような痛みのメカニズムをもとにゴルフで腰痛が起こりやすい原因を考えてみると、以下の3点が大きな要因となっていると考えられます。
アドレス姿勢時の反り腰
アドレス時に多いのが胸を張るのと同時に腰を反ってしまう癖です。腰を反った状態を保つことは、腰部の筋肉や骨への過度の負担を助長するとともに、その無理な姿勢が腰部に分布している様々な神経を圧迫することに繫がります。
さらに、その負担のかかった姿勢の状態でスイングすることでさらなる腰部への負担を増強させ腰痛の原因となってしまいます。
アドレス時の前傾姿勢
アドレス時の前傾姿勢には、腰部にある大腰筋という筋肉が大きく関わっています。
そのため、大腰筋が固くなって伸び縮みしにくくなっている状態でアドレス姿勢をとっていると股関節から上体を折る動作時に腰部に過度の負担がかかり腰痛を生じさせます。
そのような痛みを軽減させるため、無意識に腰や背筋を丸めるような不自然なアドレス姿勢をとることにも繋がってしまう方も多いようです。
スイング中の力み
スイング時のトップからの切り替えしの時に力を入れすぎることで腰部の筋肉、具体的には背骨の両横にある脊柱起立筋や骨盤から肋骨にかけて張りめぐっている腰方形筋が緊張し凝り固まることで神経が圧迫され腰痛を起こします。
腰痛改善方法のご紹介
では次にこのような原因をふまえた上での腰痛改善法3つご紹介します。
アドレス時やスイング動作の見直し
上記でお伝えしましたように、腰痛になる原因にはアドレス時の反り腰やスイング動作時の力みが大きく関わっています。
腰痛予防や改善の一つとして、ご自身のフォームが上記のような腰痛を助長させるものとなっていないかを今一度確認し修正して頂く事をおすすめします。
腰部周辺にある筋肉の柔軟性を身に着ける
上記でお伝えしましたようにアドレス時には、大腰筋という筋肉の動きが非常に重要になります。
大腰筋がしっかりと伸縮することが正確なアドレス姿勢を実現させその後の正確なスイング動作へと繋がります。
日常生活で長時間椅子に座るなど大腰筋が凝り固まってしまった状態を改善するため大腰筋の柔軟性を高めることが、腰痛予防や改善に加え美しいアドレス姿勢実現へのポイントとなります。
また、スイング時の力みによる脊柱起立筋や腰方形筋の緊張も、これらの筋肉をほぐし柔軟性を高めることで多少緊張しても筋肉がガチガチに凝り固まることを防ぐことができ腰痛予防や改善に寄与します。
腰部の筋力をつける
腰痛を起こす原因として、反り腰のように腰部の一部分に過度の負担がかかることがあげられますが、このような負担は筋力をつけることで軽減することが可能です。
例えばスイング動作の際の体の軸となる体幹の筋力強化が腰部への過度の負担を軽減することに繫がり腰痛を予防・改善してくれます。
体幹の筋肉とは腰から肩にかけての筋肉のことで、体幹の筋力を強化することは安定した速いスイングを実現することにも繋がりゴルフ上達にも寄与します。
ゴルフによって肘痛が起こる原因と改善策とは?
次にゴルフによって肘痛が起こる原因をみていきます。ゴルフによる肘痛の大部分は上腕骨内側上顆炎(いわゆるゴルフ肘)によるものだと考えられます。
上腕骨内側上顆炎とはゴルフの練習前後やプレイ中に肘の内側が痛くなる疾患で、別名ゴルフ肘とも呼ばれています。
軽度であれば安静にしている時は特に痛みを感じませんが日常生活において指や手首、肘を曲げた時や雑巾をしぼるような動作をした時にも痛みが生じるのが特徴です。
肘の内側には肘を曲げる筋肉や指や手首を手のひら側に曲げる時や内に返す時に働く筋肉が多数存在しています。そのためゴルフにおいて以下のようなことが原因で起こりうる疾患とされています。
練習のしすぎ【オーバーワーク】
ゴルフのスイング時には、指や手首、肘の曲げ伸ばしが必要となるので、スイング練習を長時間あるいは頻繁におこなうことで肘の内側にある筋肉などに過度の負担をかけることになります。
具体的には、橈則手根屈筋や長掌筋、円回内筋などの指や手首、肘を曲げたりする筋肉や筋肉の付け根である腱に負担をかけることになり肘の内側の痛み(ゴルフ肘)を起こしやすくなります。
スイングに問題がある
・グリップを強く握りすぎている
・手打ちになっている
・ワキが締まっていないなど
スイングに問題がある場合、体幹や骨盤の回旋動作が不十分になり正しいスイングの場合にはかからない負担を、指や手首、肘にかけてしまっている可能性があります。
そのためそのようなスイングを続けることは、肘の内側に密集している指や手首、肘の伸縮に必要な筋肉を傷めゴルフ肘の原因となります。
ダフることが多い
ダフることで地面へクラブを打ち付けた時に肘への衝撃を受けたり、態勢を崩したりすることで本来のスイングではかからない負担が手首や肘にかかります。そのためダフることもゴルフ肘の原因と考えられます。
ではここからはゴルフ肘の予防・改善法をみていきます。
フォームの改善
上記でお伝えしましたように、
・グリップを強く握りすぎたり
・手打ちになってしまっていたり
・脇がしまっていなかったりする
などの問題を改善することが、ゴルフ肘の予防と改善に繫がります。
・グリップを適度な力で握り
・手打ちではなく脇をしっかり締めて
・腰や骨盤を柔軟に回旋すること
肘の内側に付着している屈筋(指や手首、肘を曲げる筋肉)や伸筋(指や手首、肘を伸ばす筋肉)にかかる負荷を軽減することができるからです。
練習前後のケア
練習前に全身のストレッチなどをおこなうことで、筋肉や関節が柔らかくなり手首や肘の急激な伸縮を抑えることができ負荷を軽減することに繫がります。
また、痛みのある部位にサポーターをすることも痛みにある一定の効果をもたらします。
練習後は、肘にアイシングを施すことも有効です。
腕の筋力をつける
腕の筋力をつけることで筋肉量が増加します。
筋肉量を増やすことで練習のしすぎによって起こる筋肉や腱の炎症を起こしにくくすることができ、ゴルフ肘の予防・改善に効果的です。
体幹や背中の筋肉の柔軟性を高める
上記でお伝えしていますように、正しいスイングがゴルフ肘を改善することに繫がります。
正しいスイング動作の要ともいえる捻転動作の向上が不可欠といえます。そして、捻転動作の向上に欠かせないのが、体の軸となる体幹の安定性です。
肩から腰にかけての筋肉である体幹の筋肉の柔軟性をつけて捻転動作をスムーズにおこなえるようにすることが重要です。
また、背筋が凝り固まっていると猫背になり、アドレス姿勢が崩れスイング動作も制限されてしまい、手打ちになりやすいので背筋の柔軟性を高めることも重要です。
疼痛改善と疼痛予防のためのトレーニングの必要性
ここまでゴルフが原因で起こる腰痛と肘痛について解説していきましたが、上記でお伝えしましたようにゴルフでは他にも体の様々な部位を傷めるリスクがあります。
例えば
●スイング時の力み
肩周辺の筋肉を硬直させ肩こりや肩周辺にある筋肉の炎症を誘発させると同時に肩関節の可動域を狭めスイング動作に制限が加わってしまいます。
肩周辺の筋肉が緊張状態にあると、手打ちになりやすく肘痛の原因ともなります。
そこで、肩や肩甲骨周辺の筋肉の柔軟性を保つことが肩や肘などの疼痛を予防・改善することに繫がります。
●膝の柔軟性が乏しい
スイング時の体重移動の際に膝痛を起こしやすくなることから、膝周辺の筋肉の柔軟性を高めることも疼痛予防や改善に繫がります。
腰痛や肘痛改善だけでなく、体の様々な部位の疼痛を改善するためには、全身の筋力アップと筋肉の柔軟性をつけることが最も重要かつ効果的だと考えられます。
そこで以下にゴルフが原因で起こる疼痛改善のためにおこなうべきトレーニング部位をご紹介します。
各関節と関節周辺の筋肉の柔軟トレーニング
スイングに必要な肩関節、肘関節、手関節、股関節、膝関節やその周辺の筋肉をほぐし、柔軟性を高めることで、負担がかかりやすく痛めやすい部位の疼痛を軽減することができます。
筋肉は緊張し硬直した状態が続くと、いざ動かした時に負荷がかかりやすく炎症を起こすリスクが高まるので、スムーズな伸縮を促すためにも柔軟トレーニングは必要不可欠です。
また、関節周辺の筋肉をほぐすことで関節の可動域も広くなり、各関節の無理な動きがなくなるので関節痛を防止できるとともに、正しいフォームやスイングを実現することにも繋がります。
体幹の筋力と柔軟性アップトレーニング
上記の腰痛や肘痛改善でもお伝えしましたが、体幹の筋力と柔軟性アップは捻転動作向上に最も効果的なトレーニングです。
ゴルフにおいて、スイング動作向上は飛距離アップなどのゴルフ上達に最も寄与するものであり、そのスイング動作を向上させるのに必要不可欠なのが、体幹の安定性です。
また、体幹の筋肉の中でもより内側の深い部分にあるインナーマッスル(横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤低筋群)の強化が体幹の安定性をより強固なものとすることに繫がります。
まとめ
以上、ゴルフが原因で起こる様々な疼痛を予防・改善するためには、全身の様々な部位の筋肉や関節の柔軟性や筋力アップが鍵を握っていることがおわかり頂けたと思います。
ただ、自分なりの筋トレやストレッチでは、その力加減ややり方に不安を持たれる方が多いのも事実です。
当ジムでは、ゴルフに特化したゴルフフィットネスコースを設け、ゴルフに必要な筋力あるいは筋肉の柔軟トレーニングを実施しております。
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